森火土金水

日々思うこと、さまざまな占術について綴っています。 mori ka do gon sui

ふたつあるもの

耳がふたつあるのは、同時にふたつのことを聞き、目がふたつあるのは、同時にふたつのことを見るためなのでは。
体調を崩して、診察を受けにいった病院で、そんなことを思った。
医師に病状を説明するときに、「病状」のことだけを聞き、見ている医師もいれば、「病状」とともに、「わたし」を聞き、見ている医師もいる。
それは「人間」を見て、聞いていることにほかならない。
わたしが語っているのは病状のことだけ。その内容もすべて頭に入れたうえで、わたしのきもちやありようを聞き、見る。
医師じゃなくても、これが自然にできる人がいる。
視点の基点が、ぶれずに、自然に「人間」に行くひと。

わたしもふたつの耳とふたつの目をもつひとになりたい。
・・・今月に入って、しばらくしてから、来月からの、異動の告知があった。
異動を希望したけれど、今回は無理かな、と思っていたところに。
今までやってきた仕事を殆どすべて捨てて、まったくちがう仕事を始めることになる。
関わっている人たちは、わたしがいなくなることに、半泣きのような状態で、そのようすに触れると、わたしも半泣きのような状態で。
でも、ちがうことを始めたほうがいいときだと、何度も何度もじぶんに言い聞かせた。
一年で一番多忙な時期の中で、疲労と涙と期待がにじむ、三月。