森火土金水

日々思うこと、さまざまな占術について綴っています。 mori ka do gon sui

無数の道すじ

「相談事と、その解決法」が「読みもの」になっていることがある。
それらを読んで、最近思うようになったのは、「解決法」は、相談者のものではなく、回答者のものなんだな、ということ。
回答者の、いさぎよい感じ、頭脳明晰なところ、人間的な達観ぶり・・・読みものになった回答には、そういった回答者の魅力が染み出てくる。
たださ。
こうしなさい、という回答者の示す道筋が、相談者にふさわしいものとは、限らないのではないだろうか?
相談者にとっては、回答者の魅力あふれるガイドに従おうとしても、それは、無理して似合わない服を着る、無理して似合わない行動をとるような、ぶれが生じることもあるのではないだろうか?
ほおお、この人の回答はすばらしい、と以前は感心して、楽しんで、読んでいたけれど、学びつづけていると、変わる。
「じぶんの家族に、じぶんを出せない人っているんですか?」
と、先日、手相を見せてもらった人に不思議そうに聞かれた。
その人は、じぶんの家族からたっぷりエネルギーをもらえる手相を持っていて、家族にじぶんをたっぷり表現できるようすも手に表れていた。
「もちろん。じぶんの家族にじぶんを出せない人って、いますよ。(むしろ他人のほうが、じぶんを出しやすい人も)」
と答えるわたし。
じぶんの家族にじぶんを出せないようすがあらわれていたら、そのままでいい。そう思う。
それがその人の道すじ。家族の中より他人の中で生きると生き生きする人のはず。
家族にじぶんを出せないなら、こうやって解決しましょう、というガイドはその人の道すじではない。道すじは無数。

絶大な気分転換

自宅ではないところに、一定期間住むことって、絶大な気分転換になる。
そう実感している、仮吉方55日目。
十年以上、平日の休みは殆どとったことがなく、土日祝日にふらっと一人旅をしようとしても、ある時期から、休日の宿泊施設は、二名以上の予約じゃないと一気に受付の扉が閉まりだした。(平日宿泊の受付はあれども)
じゃ、一斉休暇に海外旅行でも!と思っても、四十歳のときに飛行機に乗れない身体状態になったので、それもだめ。
だから一斉休暇は、親きょうだいに会いにいく帰省に使うことにして。
となると、未知の場所で生活するということを、長年やったことがなかったのだ、わたし。
仮吉方は、勤務生活には変わりがない。
NHK「ちょい住み」みたいに、仕事から離れて、気分転換ができるわけではない。
いままでと同様に、毎日、会社で働く生活に変わりはない。
寝泊りするところが、変わるだけ。
しかし、約三ヶ月という居住期間の長さゆえに、会社生活に変わりはなくても、こころにもたらす効果は、とても大きいみたいなのだ。
しかも、わたしは自宅から3キロ程度離れた場所に移動したにすぎないのだけれど。
たまたま、都心のただ中に移動したからか、その地の会社員たちやお店の雰囲気に、自宅とも勤務先ともちがったカラーがあって、面白い。
微妙な差かもしれないが、何駅か離れたとたん、ちがった様相をかもしだす、都心エリアって、すごい。
仮住まい先が、住宅地じゃなかったのも、よかったのかもしれない。非日常感が大きくなるから。
正直、細かい雑務で、タイヘンな思いもしている。
でも、寝泊りする地が変わったときにこころにもたらされる、理由のわからない心地よさは、タイヘンさにまさる経験、かもしれない。

ハサミ再考

ハサミ。
鋏のことを、あらためて考えた。
こどものころから、身近にある道具。
時代を経ても、基本的に形が変わっていない道具。
完成形だから、変わらないということだろう。
ちなみに、ハサミは、九紫火星のアイテム。とっても九紫火星らしいアイテム。
「切り離す」という意味でも、「完成形」(頂点に達している)という意味でも。あのデザインの意匠も、おもいっきり九紫火星。
今月に入ってから、なぜか、じぶんに九紫火星的な出来事が起こりはじめた。
「離(り)」の象意をもつ九紫火星。
まさかこれが?という意外なものが離れていく現象は、九紫火星らしい現象。
ただし、その「離」は、永久の別れという意味ではない。
そして、その「離」は、プラスに働くはず・・マイナスに働く場合も条件によっては起こるけれど。
先月から仮吉方中のわたし。
九紫火星の「離」の現象が起こったとき、気がついた。
今、仮吉方中の方位は、てっきり、二黒土星と四緑木星だけだと思っていたら、九紫火星も含んでいたことに。年盤で座っている星が九紫火星だから。
てっきり、九紫火星はじぶんとは縁のない星だと思っていたけれど、よく考えたら、わたしの持つ星の中に、九紫火星のキキメがある部分があったことにも。
九紫火星は、けっしてじぶんに縁のない星というわけではなかったのだ。
そんなことを考えながら、仮吉方宅近辺を歩いていたら、お寺の入り口に並んでいる近日イベント札の中に、「ハサミ供養」を発見っ。
針供養はきいたことがあるけれど、ハサミも供養するのか・・・。
そういえば、日本のオバケには、捨てられた傘とか、しまいこんで使わなくなった楽器が化けたオバケがいるくらいだから。
長く愛用したモノならば、雑に捨てたり、しまいこんだりしないで、ちゃんと供養しなくてはと、日本人は考えたのだろうか。だから針もハサミもこうして供養されている。
針やハサミにオバケになられたら、考えるだに恐ろしいしなあ。

「ハサミ供養」の札を目にし、生涯でいちばん、ハサミについてまじめに考えた。
ハサミは、何かと何かを切り離す道具。
でも、破壊しているわけじゃなくて、なにかを生み出すために、なにかを始めるために、切り離しているのだ。
テープカットは、始まりのしるし。

服についているタグを切り離すと、服の所有がはじまる。
紙を切り刻んで生まれる、舞台に降る粉雪。

髪を切り刻んで生まれる、あたらしいヘアスタイル。
なにかから離れるたびに、人生が発展するという、九紫火星人そのもののような、ハサミ。
ハサミはなにかを傷つける道具ではなくて、なにかを始めるための道具。
それが正しいハサミのありかた・・・。

そういえば、仮吉方宅のマンスリーマンションは、日常的なアイテムは室内にあらかじめセットされているけれど、その中に、ハサミはなくて、入室してすぐに、買いに走ったっけ。やはり、九紫火星との縁を感じるなあ。
この夏、ハサミについて考えたことを、わたしはきっと忘れない。(たぶん)

 

クウ ネル キル

仮吉方には、さまざまなルールがある。
一番プレッシャーが大きいルールは、「仮吉方のあいだ、自宅内と、自宅内にあったものと、自宅周辺1キロ内の飲食禁止」というもの。
飲食とは、口から体内に入れるものすべてなので、薬やサプリメントも含まれる。(塗り薬や目薬は口からじゃないのでOK)
体調が不調のときに、すぐにこれらが手に入らないと、とても困る。
買おうとしたとき入荷待ち、という事態にも遭遇したりするから、前もって手に入れておきたいけれど、自宅には置いておけない・・・手立てを考えた。
過去に起こったさまざまな不調用の薬や、サプリメントを、手に入れてすぐ、封を切らずに、自宅の冷蔵庫に入れずに、勤務先に持っていき、じぶんの机のひきだしに仮吉方が始まるまで保管しつづける。
そして、仮吉方をスタートしたとき、勤務先から仮吉方宅へ、直接持っていった。
これで、それらの薬やサプリメントを口に入れても、「自宅にあったもの」を口に入れることにはならない。
仮吉方が始まったら、できるだけ仮吉方宅内と、その周辺で、飲食をするというのもルール。
この「飲食」と同じルールが、「眠る」ルールにもある。
食べること、眠ること。
このふたつが、生きもののエネルギーの源。
その土地で、このふたつをすることが、その土地に住むこと、生きること、になるんだということが、わかる。
ちなみに「着ること」のルールは、特にない。
しかし、身の回りのものを仮吉方宅に移動させるにあたって、一番かさがあったのが衣類だった。
明日着ていくもの、今週着ていくものを、運びこむ。
仮吉方が始まってしばらくは、休日は、一日に二回往復して自宅から衣類を運び込んだ。
家の中にいるだけなら、食べる、眠る、だけでいいんだけど、外に出るには、着る、が要る。
「衣食住」の「衣」と「食」のあいだには、1本、外側と内側のラインが入っている。ドアが一枚、入っている。

人を見ず、データを見る

仮吉方を初めて、26日が経過した。
音と風につつまれる部屋での生活に、慣れてきて、好きになってきている。
今住んでいる、マンスリーマンションを借りるときの注意事項の中に、一ヶ月以上の不在は禁止、とあった。
それに、ちょっと謎を感じた。
住んでみて、その謎が解けた。
マンションの管理は、24時間別所にある、集中管理センターで行われているとのこと。
別所にあるということは、コンピューターシステムを駆使した遠隔管理ということ。
最近建てられたマンションなので、さまざまな設備が組み込まれている。
その設備は、人が生活している証し、人が生活しているデータを、つくりだす。
オートロックキー、共用部分やエレベータ内の監視カメラで、入室や退室の記録がわかる。
住人以外の人間の出入りも記録される。
室内に入れば、24時間換気や、電気や、水道や、エアコンや、ネット。
これらが使用された記録も、管理センターは把握しているはず。
生活している証となるデータが長期に途絶えれば、管理センターは、なんらかの措置をとらなきゃいけないから、その「長期」が「一ヶ月以上」ということなんだろう。
生活確認、生存確認に、等しいな。
生存の証は、その人を見なくても、データでつかめるのか。
自宅が超古いマンションなので、最新設備のマンションが、わたしには新鮮。

騒ぐ音

仮吉方をはじめて、遭遇した予想外のこと。
それは「音」である。
仮吉方宅の窓からは、東芝本社ビルが見える。
その手前には、山手線と東海道線京浜東北線東海道新幹線の線路とモノレールの高架。
その線路の上空を横切る、高速道路の高架。
窓を開けていると、風がびゅうびゅう吹き込んできて、夏の夜でありながら快適。
しかし、同時に、列車や車が走る音も、びゅうびゅう吹き込んでくる。
列車は朝6時頃から深夜12時過ぎまで、ひっきりなしに走っている。
12時半過ぎたら、列車の音はほとんどなくなるけれど、高速を走る車の音は止まらない。
24時間、車がびゅうびゅう走っている。
なんだこの騒音~、眠れない~、日本人、はたらきすぎ~っ、でも風がきもちいいから窓開けたい~、と毎日葛藤していて、半分不眠気味。
しかし、東芝本社ビルって、地相的にとてもいいところに建っている。
家相も考慮されているようで、建物のかたちもいいし、離れのような別棟もあるし、南側にプールのような貯水スペース?も設置されているし。
東芝ビルの南側に、シーバンスが鋭角に建っているのが惜しいなあ。
これが建つ前と後とでは、なんらかのちがいがあったように思う。
東芝っていう名前もいいなあ。
「東」は三碧木星(電気産業を支配)を呼び込みそうだし、「芝」は四緑木星(会社・組織の発展)と二黒土星(技術・労働)を呼び込みそう。
でも、さまざまな点で恵まれていても、発展がつづくとは限らないんだ。
東芝とは何の関係もないわたしが、こんなふうに東芝について考えをめぐらすとは予想外。
東といえば、地相的に、東にあるといいもの、の中に、線路がある。
地上にある線路であって、そこを列車が走っていることが条件で、列車の本数は多いほどよくて、でも地下鉄ではだめ、と教わった。
ここへきて、その理由がわかった気がする。
地下鉄と、地上を走る列車のちがい。
それは「音」だ。
地上に聞こえる、とどろく音。地下鉄には地上まで音を及ぼす力はない。
「音」をもっていることが必要だったんだ。
なぜなら、「音」は三碧木星の担当、東は三碧木星の本籍地。
音を立てている姿こそ、三碧木星らしい姿。
音楽に関する仕事についている人は、その人が持っているいくつかの星のどこかに、三碧木星をもっていることが多いのだ。
南東に仮住まいしにきて、東に関わることがあらわれているのは、予想外の事態。
しばらく、この音とつきあっていくことになる。わたしの今年の夏は、この音とともに、ある。

風の通る部屋

仮吉方宅となるマンスリーマンションの号数には、四緑木星の数字が表れていた。
マンションの部屋に入ってみると、じぶんでは部屋位置は選択できないのに、ラッキーにも東南角部屋。
東側と南側にさえぎる建物がない位置で、窓を開けると、たえまなく風が入ってくる。
ああ、風だ~南東だ~四緑だ~と、ひとりで勝手にもりあがる。
周辺立地を探検してみると、つぎつぎと四緑木星っぽいアイテムにぶちあたる。
たとえば、そば屋とラーメン屋が多い。(麺類は四緑木星のアイテム)
特にそば屋は、わたし、ここで一生分のそば屋を目にしたんじゃないか、と思うくらい多い。
近くには、屋形船が浮かぶ川と、船宿。船も港も四緑木星のアイテム。
徒歩圏内に、ホンモノの港もあるぞ。
「貿易」(=四緑木星の象意)を名前に含んだビルもある。
住所名には、浜松町(松は四緑)があったり、芝(二黒土星のアイテムでもあるけれど、緑の葉もの全般は基本、四緑木星のアイテム)があったり。
それから、仮吉方に来た南東は、四緑木星の本籍地だけれど、7月は二黒土星も回っている。
二黒土星っぽいものはあるかなあ、と探検すると。
「労働運動発祥の地」の碑発見。そこに建っているのは、労働委員会の総本山の建物らしい。
労働者、労働運動はまさに二黒土星の象意♪
などと、こんなマニアックな視点で散歩しているとヘンに思われるけど、楽しいんだからしかたない。
しかし、仮吉方先には、マニアックな楽しさだけではなく、めんどうくささも、苦労も、予想外の事象も、あったのだった。